現代ビジネス学科の学生が情報処理学会で2件の研究発表!
現代ビジネス学科1年生の梅本奈々さんが、情報処理学会第87回全国大会で2件の口頭発表を行いました。
1件目は、「梅本 奈々・川北 輝 (2025). 地域課題の解決を目指すVRシリアスゲームの効果検証 情報処理学会第87回全国大会」です。昨年バーチャル学会で発表した研究内容をもとに、調査・統計解析を行った成果を発表しました。

概要: 社会的な問題を解決するシリアスゲームは高い学習効果が期待できる。先行研究では、VRを用いた新潟に関する体験型のシリアスゲームを制作した。本研究では、女子学生18名を「VRゲームをプレイする群 (VR群)」とその「映像を視聴する群 (映像群)」に分け、実験を行った。測定には、ゲーム内に登場する内容に関連した問題の正答数を用いた。その結果、VR群は映像群よりも平均値が高いことが示されたが、統計的に有意な差は確認できなかった。この要因として、VRを初めて操作する者が多く、操作で手一杯になっていたことが考えられる。一方、質的項目では、「楽しみながら学ぶことができる」など、VR群においてポジティブな評価がみられた。
参考: 梅本 奈々・川北 輝 (2024). 新潟に関する VR シリアスゲームの開発 バーチャル学会2024 発表概要集, 52-55.
DOI: https://www.jstage.jst.go.jp/article/vconf/2024/0/2024_52/_pdf/-char/ja
2件目は明日発表の「梅本 奈々・川北 輝 (2025). Processingにおける目の防犯デザインの印象評価 情報処理学会第87回全国大会」です。「情報処理演習」の授業で学んだプログラミングで「動く目」をデザインし、被験者内計画の実験を行い、心理的な防犯効果についてまとめました。


概要: 目に関する防犯デザインには心理的な抑制効果が期待できる。本研究では、従来の静止した目に加え、ユーザとのインタラクションに応じて動く、横向きおよび斜め向きの目のデザインをprocessingで制作した。28名の女子学生を対象に実験を行い、防犯に関連するシチュエーションにおいて各目の怖さについての印象を評価した。分析の結果、静止した目に比べて、動きのある斜め向きの目は有意に怖い印象であることを確認した (p = .034)。また、質的項目においても、斜め向きの目は「怖い」や「怒っているように感じる」など、ネガティブな評価が高かった。今後は、動きの観点から目の怖さが犯罪抑止力にどのように寄与するのかを詳細に検証する必要がある。

発表者の梅本さんのコメントです!
「長い伝統のある情報処理学会での研究発表だったので、かなり緊張しましたが、研究計画、実験、データ分析、発表などを通じて成長することができました。質疑応答では、研究内容のフィードバックをいただき、勉強になりました。他の参加者の方の講演を聞くこともできたため、とても有意義な参加になりました!」