【食物栄養学科教員 卒業研究紹介】
亀岡恵子教員(担当科目:給食計画・実務論、給食管理実習Ⅰ・Ⅱ、給食計画実務実習)と、田中洋子教員(担当科目:公衆栄養学・栄養教育論Ⅰ・Ⅱ、栄養教育論実習Ⅰ・Ⅱ)が指導教員を務める卒業研究についてご紹介します。
亀岡ゼミ・田中ゼミに所属する学生は、代々「しののめベジガール」「しののめ魚魚っとガール」として、栄養士養成課程で学んだ専門知識や技能を生かした食育活動に取り組んでいます。地域の健康課題や食を取り巻く社会的課題の解決を目的とし、行政・企業・地域団体と連携した産学官協働の体制のもと、継続的かつ実践的な活動を行っている点が大きな特徴です。学生は、大学での学びを実社会の課題解決に結びつける経験を通して、専門職としての実践力を高めています。
しののめベジガールは2017年に結成され、現在は9代目となりました。「朝食を食べよう!野菜を食べよう!」をスローガンに、若年層を中心とした朝食欠食や野菜摂取不足といった健康課題に着目して活動しています。野菜スムージーや野菜スープなど、日常生活に取り入れやすいレシピの開発・販売を行うほか、地域イベントや健康フォーラム等において試食提供や対話型の食育啓発活動を実施しています。実際に「食べる」「作る」「体験する」ことを通じて理解を深め、行動変容につなげる実践型の取組みです。
一方、しののめ魚魚っとガールは、コロナ禍における水産物の消費減少や魚食離れという社会課題を背景に、2020年に結成され、現在は5代目として活動しています。地元産魚介類の栄養価や魅力を分かりやすく伝えることを目的に、地域企業や行政、漁業関係者と連携しながら、魚を活用したレシピ提案や調理実演、体験型食育活動を展開しています。これにより、魚に対する心理的なハードルを下げるとともに、地域水産業への理解促進や地産地消の推進にも貢献しています。
成果指標
【アウトプット】
・地域イベント、学園祭、行政・企業連携事業等への継続的な出展・参加
・学生によるオリジナルレシピ、啓発資料、体験型食育プログラムの企画・開発
・延べ多数の地域住民・参加者への直接的な食育機会の提供
・行政・企業・地域団体との連携による継続的な事業実施体制の構築
【アウトカム】
・学生の主体性、協働力、課題発見・解決力等の社会人基礎力の向上
・学生自身の食生活改善意識の向上と健康行動への波及
・地域住民の健康意識向上および野菜摂取・魚食への関心喚起
・地域産業(農産物・水産物)の認知向上と消費促進への寄与
これらの取組みは外部からも高く評価され、2020年には中国四国農政局「ディスカバー農山漁村(むら)の宝」に選定されました。また、第4回文部科学省「ポジティブリスト」にも掲載され、優良事例として全国に紹介されています。学生が主体となり、専門性を生かして地域と協働する本卒業研究は、高等教育における地域連携・社会貢献のモデルケースとして位置づけられています。
本事業は、学生にとっては専門知識を社会で実践的に活用する学びの場であり、地域社会にとっては健康づくりの推進、食文化の継承、地域産業の振興を同時に実現する取組みです。今後も「しののめベジガール」「しののめ魚魚っとガール」は、教育と地域を結ぶ実践モデルとして、持続的な社会貢献を目指して活動を継続していきます。